もう先月、9月22日の事になるのですが
草加市で行われた「DV被害者支援ボランティア育成講座」に参加してきました。
元々、8月のヌエックで午後に受けた、大変おもしろい化学反応が見られたワークショップの主催団体が企画ということ。
草加市での取り組みとして、何度も行っているのだとか。
ちなみにヌエックでの模様はこちら。
今回の目玉は、山口のり子氏のプレゼン
山口のり子氏と言えば、全国で開かれている
「DV加害者プログラム」なるものを日本で初めて開いたという方。
DV加害者プログラムといえば、何かと変な噂も聞く事が多いので
はて、これを創始した人はどんな事を話すのだろう…?と興味をもってしまいました。
ちなみに、変な噂というのがこの辺りにまとまっているようです。貴重な情報。
なかなか、フェミニスト的な匂いが立ち込めてきますねw
というわけで、いざ会場へ
銀座ワークやメンカンの仲間と参加。
都内から草加はそれなりに時間がかかるので、結構朝早く起きて向かいました。
会場は30人程が着席できるセミナースペースで開催。
僕らは、真っ先に中央最前列あたりの席をチョイス。
参加層としては…女性が8~9割程
ご年配の方も多く見られます。
おや?すぐ近くの参加者席に座っていらっしゃるのが山口のり子さんっぽいぞ?
Yahooニュースでお写真を拝見した事があるので、すぐに解ってしまいました。
カバンに「原発はやめよう」という文字と、何かのマーク?ロゴがプリントされたアクセサリが下げられてました。おお、おおお…
第一部は草加の現状についての説明
9時半からイベントスタート
第一部は、草加市の団体さんによる草加市のDVをめぐる現状や
それに対して行っている支援や取り組みの内容についての説明がありました。
相談員の配置状況や、支援内容、保護命令についてなんかも。
保護命令ってのはアレですね、近接禁止とか自宅退去命令とかが加害者に対して出せるってやつです
そのあたりの説明も分かりやすく行われました。
第一部は1時間程で、質疑応答を経て終了
10分程の休憩を挟んで、第二部へ
山口のり子さんのDV加害者に関するプレゼン
「DV加害者プログラム」なるものを日本で立ち上げた山口のり子さんの講演が第二部。
紙でのレジュメの他に、パワポを使ってのプレゼンがあり、大変分かりやすいものでした。
…フォントに創英角ゴシックや創英角ポップ体が多かったのが気になってしまった(苦笑)
っと、それはいいとしてw肝心の内容は…
「DV加害者対応」を進めてきた背景やDV加害者とはどんな人?という事や、DVに対してどんな対応をしているか…というところを
資料や、参加型のロールプレイも絡めながらという進行でした。
やはり喋りは慣れているのか、プレゼンの進め方はそれなりに上手かったかなあ。あと「プログラム」の発音が英語っぽくて格好良かった。
パワポに創英角ポップ体が多いのはやはり気になったけどw
以下、気になった発言等
第二部、山口のり子さんのプレゼンでの発言で気になってしまった所を幾つか抜き出してみます。
「女性加害者も最近いるようだけど、プログラムは男性のみへの対応です。」
加害者は男性が殆どだ!という事を強調されていた。
ここは言い切っちゃってたね。女性加害者という存在は認めたくはないのかな?
「みんなが言ってます」
たまにこの言葉が出てきてたけど、これってなんだかパワーコントロール的で嫌だなあ
「28歳の若モン」
ええっと、これは加害者プログラムに来てる男性を指しての言葉だったかな?
半分笑いものにするような言い方がちょっと聞いててしんどかった。
言ってしまうと胸クソ悪かったな。
「漫画や雑誌やゲームなんてのもDVを起こさせる要因となる」
戦隊ヒーローなんかもDVも元らしいよ!暴力で解決するという価値観を刷り込むのだとか。
乱暴な言説だなあ。
エロゲーにも言及してた。なんともツッコミどころは多かった。
「女男平等」
男女平等って言って、なんで男が先なんだ!ということからだそうな
この人男が嫌いなだけちゃうん?ってこのあたりから思い始める
CMから読み解くジェンダーバイアス
確か「日進焼きそば 男道場編」だったかな?
CMの動画を皆に見せて「このCMはジェンダーバイアスに満ち溢れています!」みたいなことを仰ってた。
「男は強くなければいけない」「保険の先生は女性で、男を手当てする存在」等々が決めつけられているし
それを見た視聴者も、価値観として無意識に刷り込まれてしまう…なんだそうで。
「一生来られても困る」
え、こんなこと言っちゃうの?と思ってしまった。
少なくともメンズカウンセリングではずっと、必要とされる限りは寄り添い続けるんだけどなあ
「卒業率は極めて低い。卒業を決めるのは本人ではない」
いわゆる「脱暴力化」が真にされる人はプログラムを受ける人の中には極めて少ないということ。
また、実際に脱暴力化される人数や確率の数字は出していないとの事。
ただし、脱落率というのは数値化されていて、しかもそれなりに高い。
えーっと、少ないってことは「効果が無い・極めて少ない」ってことなんちゃう?と思ってしまった。
メンカンならかなり脱暴力されるのにねえ。
講演を聞いて思った事
どうも、この方の話っぷりからは「商売」の匂いが結構するんだよね。
行政にもっと食い込んで行きたいような事も仰っていたけど、助成金目当てかなあ?なんて勘ぐってしまう。
もちろん、変な勘ぐりはしたくないんだけど、あまりにも「当事者への寄り添い方」としては足りないというか、当事者と自身の間に壁を作っている印象を凄く受けてしまった。
極めつけは、閉会後にご本人とお話した際に自分の仕事についてもお話させて頂いたのだけれども
「『加害者支援』なんて言わない方が良いですよぉ~、被害者感情に影響しますから~」
なんて事を言われたのを聞いて
あ、この人は当事者についてあんまわかってないのだな、若しくは男性憎しの気持ちが強すぎるのだな…と確信してしまった
多分だけど、山口のり子さん自身が彼女の人生の中で抱えてしまった問題を、男性の加害者とされる人にぶつけて溜飲を下げようとしているのではないかと思ってしまった。
そうであればとんでもない話だし、そもそもそれでは当事者は救われないんだよね。
加害者も被害者も両方ね。
僕としては、加害者も被害者も一律「当事者」と定義することで
両方の問題を解決していくというスタンスを取りたいし、僕自身もメンカンでそういう支援を受けることで救われた事実がある。
そういう意味では「DV加害者プログラム」というのは当事者全てに配慮できたものではないというのを確認出来たのと
メンカンの有効性を再確認できたという事、更には当事者性の重要さというのも再確認出来たというのが、参加した意義だったように思います。
山口さんも、救われるといいよね。と少し「哀れ」な気持ちになってしまいました。
加害者プログラムの組織名が「aware(アウェア)」というのはまた変な縁。
ローマ字読みすると「あわれ」だもんね(誰が上手いこと言えと)
全ての当事者(山口さんも含めて)が楽になれればなあ、でも中々難しいよなあ…
とは思ってしまいました。
まあ、自分は自分の出来ることをするだけなんだけども。
お次の参加予定は
こちらになります。明日ね。
千葉は「DV法」の発祥の地だという話もあるので、これまた色んなお話が聞けそうです。