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雑記

「累」の試写会・ファンミーティングに参加してきました

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昨日は、明日9月7日から公開の映画「累(かさね)」の試写会&ファンミーティングに行ってたのですが、もう、本当にステキな体験でした。
また、映画の試写会なんて初めて行ったので、その雰囲気等々を中心に、映画の脚本的なネタバレ等は極力避けるように書いていきたいと思います。

試写会ってどんな感じなの?

まず、今回の試写会・ファンミーティングイベントは「累」の映画公式アカウントによる参加募集があったのですよ。


で、それに軽い気持ちで応募してみたところ、運良く当選。喜び勇んでの参加となりました。
先週まで家族そろって体調を崩していたので、ギリギリまで参加を迷いましたが、無事参加できて良かった…

で、当日
受付を済ませ、パンフレットと「うちわ」を受け取り試写室へ

(リバーシブル)

試写室に入るとそこには既に多くのファンが着席されていました。

試写室は、映画館をそのまま小さくしたような感じ。
劇場と比べて4~5分の1くらいのスクリーンに、映画館ほぼそのままのシートが6列×8ほど。大体50名弱が着席出来るようなスペースでした。
椅子にドリンクホルダー等は付いてませんが、座り心地はほぼ映画館そのまま。

スクリーンはちょっと小さめに感じ、後ろの方だと見えるかな?とちょっと不安になったのですが、始まってしまえばそんな事はなく、十分に見やすかったと感じました。

また、部屋の大きさもあるのでスピーカー類はかなり近く、サラウンド効果がものすごく強く感じました。これはこれで迫力が有って良かったと思います。

そんなこんなで18時半に開映。
そこから「累」の世界にどっぷり浸かる至福の時間が始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

「累」とは

「累(かさね と読みます)」は5年ほど前に漫画雑誌「イブニング」で連載が始まり、ついこの間完結した漫画作品です。

主人公「淵 累(ふち かさね)」は生まれつきばけものの様な醜い顔をもつ女の子。
母親はかさねが幼い頃に他界し、その後かさねは叔母の家に預けられるが、常に叔母からは疎まれるという、いわゆる機能不全家族での生活を送ります。
さらに壮絶ないじめを受ける学生時代を過ごす…という。もうこれだけでしんどい話ですね…

ですが、かさねの母は生前「伝説の大女優」と呼ばれ、舞台のスターでした。
そんな母の血を受け継ぐかさねは、卓越した演技力を持っています。

舞台に立ちたい…だけどこの顔では立てない…という劣等感による葛藤を抱えた彼女は
母が残した「キスをした相手と顔と声を入れ替える事が出来る」力を持った不思議な口紅を使って、他者の顔を奪い、舞台への道を進む…という話になります。

「口紅の力」というファンタジーから、それによって人間がどんな行動を選び、またどんな感情が生まれそれに振り回されていくのか…
という一つの妄想・想定から生まれる人間模様というのが凄くリアルに、生々しく描かれています。

僕はもともと「のりりん」目当てで「イブニング」を定期的に買っていたんですが
あとから「累」の連載が始まったのをみて
「なんだか突然スゴイ漫画が始まったぞ…」とい衝撃を受けたのを覚えています。

相当にハマって、過去にサイン会なんてのも参加してたりします。

累については絵にも惹かれ、その内容にも引き込まれ、のりりんが終わってもイブニングは今でもiBooksで定期購読しています。
のりりんも面白いよ。いつかこっちも実写化しないかのう…

と、それはいいとして、累に話を戻しますw
まずは試写の感想から

映画「累」感想

映画の「累」は、「キサラギ」や「ストロベリーナイト」の佐藤祐市監督の指揮の元
NHKの朝ドラ等でも有名な「土屋太鳳」と「芳根京子」が主人公のかさねと、かさねと顔を交換することを選ぶ「ニナ」のW主人公を演じています。

(佐藤祐市監督というと、個人的には「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」も好きでした)

全体の印象

「かさね」と「ニナ」顔を入れ替えても当然中身は変わらないので、1人2役でかつ2人1役であるという、非常に難易度の高い演技を主演のお二人は本当に見事に表現されていたと思います。
顔が違っても、立ち振舞や声の調子等々で、どちらがどちらかすぐに分かるというのは、見ていて凄く新鮮でした。

また、それ以上にこの映画は、兎に角、生々しい感情が容赦なく襲いかかってくる作品でした。
互いに劣等感(かさねは顔、ニナは演技力と、ニナが抱えるある秘密)を持つ2人が、口紅の力で顔を入れ替えるという手段を手に入れた時に生まれる葛藤や、それによる行動の選択が生々しく描かれているのは原作漫画もそうなのですが…

自分でページをめくって物語の続きを読むという漫画と、自分がなにもしなくても時間と共に物語が進んでいくという映像では、短時間で受ける情報量が桁違いだと感じました。
原作はボディブローでじわじわ攻めて(?)くるタイプだとしたら、映画は物凄い手数のジャブとストレートが矢継ぎ早に、たまにアッパーがズドンと飛んでくる感じ…といったところでしょうか。

正直なところ、ものすごい勢いで次々と飛んでくる生々しい感情の描写を自分の中でリアルタイムで処理するのに一杯一杯で
映像そのものの演出とか構図とか画面の動きとかを冷静に追っかける余裕が無かった…のでまた観たいと思えました。

逆に、映像が意識的に頭に入らなかったというくらいの感情の描き方が圧巻だったという見方も出来るわけで…
自分の中で映像すらがBGM的な位置に行ってしまったのは初めての感覚でした。

内容というか、脚本ネタバレしない為にシナリオ展開に踏み込まないで感想書くのは難しいのだけど
僕としては、生々しい感情描写が脳にズドンとくる体験こそを前面に出しておすすめしたいと思います。

劇中ではしばしば「偽物が本物を超える瞬間がある」という言い回しが使われます。
それは演劇そのものだったり、かさねがニナに成り、それをさらに超えるという意味合いだったりするのですが、この映画の感情描写に関してもそれは生きていたように思えます。
人によって受け取り方が異なるとは思うんだけど、この体験は多くの人が衝撃を受けるのではないかと感じました。

また、自分の過去の体験や劣等感・優越感に2人の主人公の感情を投影するという体験も、しんどくは感じたけど面白さを感じたように思います。
昔、小学校1年生くらいの時に、ぼくは車に轢かれて長期入院し、まあそれもあって身体の発達が遅れた時期があったのですが、その頃「ああ、足の早いあいつと身体を入れ替えられたらこんなにしんどくないのになあ」なんて思っていたのを思い出したり…
ニナの方も、ニナほどではないけど、自分の身体のリズムのコントロールがまったく効かなくてすんごくしんどい思いをした時期があった事を思い出し、バッチリ自己投影しちゃってたように思います。

勿論、こういう劣等感は誰しも大なり小なりあると思いますので、もしそういう部分に「刺さる」とさらに面白い体験ができるんじゃないかと思いました。
しんどいですけどね(苦笑)終わってみるとジェットコースターの様で面白かったかもとすら思えます。

まあそんなこともあってか、少なくともぼくにとっては、見てるだけで体力気力を持ってかれる作りでした。
実際、見終わった直後は自分の体温が上がっていたのを感じました。身体は動いていないのに、心が動くことで代謝が上がるという境地。これは面白い体験でした。
うちわ配布はもしかしてこれを見越していたのだろうか…と本気で考えてしまったくらいでした(笑)

劇伴

また、この作品ですが、劇伴の使い方が面白いなあと感じました。
序盤は環境音楽的、むしろ効果音的なBGMの使い方だったのが、話が進むに連れてコードやアルペジオ、メロディを得ていって段々と輪郭がはっきりした曲になっていく…というのが、かさねによる「ニナ」の完成を彷彿とさせていたように思います。
…とはいえ全曲を注意深く聞けてたわけじゃないので、間違ってるかもですが。
ここは劇場で観た時に注意して聞いてみたいところです。

個人的に好きだと思ったBGMは、楽屋?で母の幻影が現れるシーンのBGM。
この辺りから明らかに使うBGMの雰囲気が変わったかな?という記憶です。

お待ちかねのファンミーティング

そして、上映が終わったあとは少しの休憩を挟んでファンミーティング会
原作者の松浦だるま先生と、佐藤祐市監督のお二方がスクリーン前にご登壇。

お二方の間には、パネル代わりに明日9/7発売の「累」最終巻。
なんと最終巻は最後に数ページ加筆されているとの事。最終巻を読むのが俄然楽しみになりました。

イベントの流れとしては、このファンミーティングの募集要項でもあった
「松浦だるま先生に対する質問」が応募者の中からピックアップされ質問、先生がそれに答えていくという形でした。

…なんと僕がした質問も読まれちゃいました。わー

この質問、観たあとで思ったのは、陳腐な質問してすんませんでしたという気持ちでもう恥ずかしいやら申し訳ないやら(笑)
ここまで書いてきたように、当然に凄い作品であって、そりゃ絶賛されるのも当たり前じゃないの!って話ですよねw

先生のお答えとしては、映画製作スタッフがとても丁寧に真剣に作品に向き合ってくれて、プロデューサーも逐一連絡をくれて気遣っていただけた事が信頼に繋がったということでした。

他にも数問、質問に答えられたり
キスシーンでのエピソードを監督が語られたり
主題歌についての話題。黒い鳥だったり
貴重なお話がたくさん聞けたのがすんごく嬉しかったです。

最後は全員で集合写真。
なぜか「かさね」の「ね」の声でパチリw

あっという間でしたが楽しい時間でした…

いろんな人に観てほしい

そんなこんなで、映画もファンミも非常に楽しい時間でした。
ここまでも書きましたが、映画「累」は本当に凄い体験をもって観ることができました。

この衝撃や体験を他の方とも語れたら更に楽しいと思うので、ぜひ皆観に行ってみてください。
原作ファンでも原作未読の方でも、わかりやすいバランスが取れた作品かと思います。
自分の劣等感に2人を投影するという面白い体験もですが、多分観た方それぞれで違った、不思議な体験ができると思いました。
僕は試写室のスクリーンだけではなく、劇場の大きなスクリーンでもまた観たいと思います。

ちなみに一緒に行った妻は、原作未読でした。原作の展開や情報は僕が言葉で伝えているのみと、全く読まないのもどうかということで
「累」の前日譚と言える小説「誘」を読んでの参加でした。

今回の試写を観終わった後
「これから原作読んでもう一回映画を見るという贅沢をするよ、羨ましかろう、ほほほ」と言われ歯軋りしたのはここだけの話。
なんという贅沢な体験だ…うらやましい…

こんな楽しみ方もありですよね。
少しでも気になったら、ぜひ劇場の方へ足を運んでみてくださいね。

一時保育の話

さて、今回の試写会に参加するにあたり、一番の問題だったのが
「子供どうしましょ」というところ。

うちには来月1歳になる子供が1人いるのですが、いつも通っている保育園の延長保育は20時まで。
延長しても間に合わないし、これは行けないのではないか…なんて頭を抱えていたんですが…

会場の比較的近くで、一時保育として子供を預かってくれる場所がありましたので、今回そこを利用しました。

こういうイベントがある時、一時保育って本当にありがたいと感じた一日でもありました。
無事予約が取れたのはラッキーだったのですが、迎えに行く時間を21時半と、あまり余裕の無い時間にしていたため
ファンミーティングが終わったら会場からダッシュで迎えにいくという事になりました(苦笑)

息は切れ、汗だくになったのは言うまでもない…w
もうちょい余裕を持った予約にしておくべきだったなぁというのが反省点。

結構利用されてる方も多いようで、少しの間でも育児から解放されて、ちょっとした息抜きを出来るなら本当にありがたいシステムだと思います。
またこんな機会(そうそうないけどw)があれば利用したいなぁと思えました。

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